6/26/2006

光の川

  先週末、先輩のフォトジャーナリスト・新藤健一さんの出版記念パーティーに出席するため六本木アカデミーヒルズ40へ行った。何故この会場が選ばれたか というと、その著書「疑惑のアングル〜写真の嘘と真実そして戦争」(平凡社)のカバー写真として使われている米軍へリポートを眼下に見ることができる場所 で、映像情報の検証や戦争の影を明らかにするその内容がストレートに伝わってくるからだ。しかし、六本木ヒルズという空間は、集まったつわものどもにとっ て、とても居心地が悪そうだった。
 乾杯が行われたときはまだ明るく、霧に包まれていた東京の空も、気が付くとすっかり闇に覆われていた。窓越し に地面を見おろすと、道路を走る車のライト がいくつもの光跡を描いている。そのとき頭の中に一昨年流行ったスガシカオの曲が流れ、ふっと思った。ホリエモンと村上ファンドもこの光の川に消えてしまうのだ ろうかと。

6/18/2006

コメツキガニ

 コメツキガニは臆病だ。ヒトが近づくと一斉に巣穴の中へ逃げ込むように身を隠す。しばらく動かずに観察していると、姿を現して何事もなかったかのように泥団子を運び出す作業を再開する。その単純かつストイックな行動はいつまで見ていても飽きない。
  このところ観察会や定点観測等で多摩川河口干潟を訪れることが多くなったせいか、このカニのような小さな生物と戯れるのが楽しくて仕様がない。天気が良 ければ海水浴気分とまではいかないが、身近な場所で結構楽しめたりするのである。しかし、ここも羽田空港再拡張事業やそれに伴う神奈川口構想による影響が 懸念されている。自然は時の流れの中で変化していくものであるが、それが人為的影響だったとしたら、必ず何かが狂ってしっぺ返しを食らうことだろう。
 羽田空港へ離着陸する飛行機の窓からちょっと下を覗けば、ヒトもまたコメツキガニと変わらない存在なのだから。

6/11/2006

お台場海底清掃

 10日、お台場海浜公園で東京ベイ・クリーンアップ大作戦が開催された。
  これは「東京港を泳げる海に!」という目標のもと、海浜清掃とダイバーによる海中清掃を行うもので、今年で11回を数える。海底清掃は、ダイバーの先輩 である水中カメラマンの須賀次郎さんが中心となり、全日本潜水連盟(JUDF)等の協力、東京海上保安部の指導によるジャックスティー(区画捜索法)を基 本として作業を行っている。今年は第三管区海上保安部の巡視艇いずの潜水士たちが担当だった。今が旬の海猿である。
 毎度の事ながら海中の透明度 は50センチほどで、海底の泥を巻き上げると視界ゼロという状態。回収されたゴミもドロドロ。だが、綺麗な海とは異なる潜水 のはずなのに、陸に上がると何故かさわやかな気分になるのは何故だろう。この場所の持つ都市空間としての開放感、あるいは東京湾に育まれた生命の持つ魅力 のせいか。